巣板マニアのブログ

危ない奴と思われますが、刃物(主に包丁)と砥石(中でも戸前浅葱)を集めていますので、紹介していきたいと思います。

蓮華巣板のマイクロスコープ像と研ぎ感

今日は京都の砥石屋さんめぐりをする予定だったのですが、中止しました。

12月に入って以前から頼んでいた砥石を入手することができたので、もうあまり欲しいものがなくなってしまいました。

それらの砥石の中にいくつかの蓮華巣板が入っていたのですが、今日は蓮華巣板を研ぎ比べて拡大像を比較してみましたので、備忘録の意味もかねてブログに記載しておきたいと思います。

イメージ 1

水木原の蓮華巣板(紫蓮華?!)
少し大きめの蓮華がぼやけて密集しているのですが、目だった小さな巣があるせいか研ぎ感はもうひとつです。
触ると目は細かいのですが、実際に研いだら滑りもあまりよくないし、目の細かさを感じることはなく、他の蓮華に比べて傷が多い印象がありました。

イメージ 2

奥殿の黒蓮華
肉眼でははっきりとした黒い細かい蓮華が見られます。
研磨力はなかなかのものですが、噂どおり鋼と地金も黄色くなってしまいます。
戸前で再度研ぎなおすと消えてしまいますが、ステンレス向きでしょう。

イメージ 3

奥殿 青蓮華
拡大してみると黒く見えますが、肉眼ではきれいな青い蓮華が見えます。
研磨力は上の黒蓮華よりも強く感じますが、結構硬めて研ぎ心地はあまりよくありません。
やはり炭素鋼は少しだけ変色するので、黒蓮華に似た反応が起こっているのでしょう。
でも見た目は一番気に入ってしまいました!

イメージ 4

中山カラス蓮華
少し大きめの紅色の蓮華とカラスが美しい巣板です。
研ぎやすく滑走もよく、研ぎ感もいいです。
少し荒いかと感じますが、仕上がりは鋼・地金ともに美しい曇りを見せてくれます。

イメージ 5

中山の蓮華巣板(紫~赤)
見た目は今回の中で一番地味ですが、研ぎ感は今回では一番良かったです。
食いつき、滑走ともに良好で、鋼・地金ともによくおろし、仕上がりの曇り方もいい感じでした。

以上の感想は個人の主観的なもので、定量的に比較できる方法があればいいのですが。
ただ気持ちよく研ぐことができる感覚というのは、どうしても主観になってしまいますね。



追記

上から2番めの奥殿黒蓮華ですが、18日の夜さらに面だしをして青二鋼の柳刃包丁を研いだところ、地金をひき明らかに引っかかるような感じーーー確認するとキズだらけになっていました。

でも1回押しただけでこれだけキズができるとは?!

アトマのダイヤクズが外れて砥石に入ったか?

大村砥で何度も面直ししましたが、結果は同じでした。

念のため三河白名倉で研ぎ汁をたっぷり出してもう一度柳刃をあててみるとーーーやっぱり引っかかり感が!

新しく購入した天井巣板で地金の傷を出来るだけ浅くしました。

問題の奥殿巣板 黒蓮華は、観賞用になってしまいました(;_;)