巣板マニアのブログ

危ない奴と思われますが、刃物(主に包丁)と砥石(中でも戸前浅葱)を集めていますので、紹介していきたいと思います。

堺に包丁を探しに行ってきました

  しばらく新しい包丁を買っていなかったことに気がつき、最近何かモヤモヤしていた理由がわかりました(^^;;

 

結局、我慢できず朝から嫁の運転で堺に行くことになり、

 

最初は以前からこまんたれBOOさんのサイトで拝見して気になっていた「高田ノハモノ」さんに行くことにしました。

 

大浜で高速を降りて宿院通りを左折して路面電車の通りを北に進みます。

 

ここは堺の和包丁を代表する鍛治師さん、研ぎ師さん、刃物店、問屋さん、伝統会館等が固まっているところで、堺の刃物ファンにとってはパラダイスのようなところです。

 

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この角を東側に入ってしばらく進むと、

 

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普通の古い家ですが、表にある「高田ノハモノ」の看板でかろうじて刃物屋さんだということがわかります。

外からのぞくと中で男性が一人で回転砥石を使って包丁の粗研ぎをしているところでした。

「こんにちは」と声をかけると、男性は作業の手を止めて入り口まで来たので、

「牛刀を欲しいんですが」

とお話しすると、棚の中に展示されている牛刀を見せてくれました。

 

高田さんの誠実で優しそうな話し方で対応していただき、つい調子に乗って色々な希望をお願いしてしまい・・・

 

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とても仕上げの丁寧な素晴らしい牛刀と三徳だったので2本とも購入し、さらに白一の8寸牛刀も私の好みの仕上げをお願いして作っていただけることになりました^_^

 

また包丁が出来上がったら連絡をいただけることになり、後ろ髪を引かれる思いで高田ノハモノさんを後にしました。

 

少しお腹が空いていたので近くにあった高田さんオススメの喫茶店でお昼を食べることに

 

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つぼ市製茶さんはお茶屋さんですが、お茶の販売だけでなく中で食事もできます。

夏場は開店前からお店の前に行列ができるほどの人気店だそうです。

 

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中は和風の町家をリノベーションしてすごくいい感じに 

 

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茶粥セットを頼むと、ほうじ茶のおかゆで空腹のお腹にも優しく入って行きました。

 

セットで選んだ最中も甘さ控えめでいくらでも食べられそうです!

 

やはりかき氷は外せないので(これでハーフサイズですよー)完食しました。

出てきた食事はみんな美味しく上品な味で、包丁と食事でかなり満足度は頂点近くに

 

しかしここでまた私の悪い癖が・・・せっかく来たんだから酔心さんにも寄っていこうと考え、宿院通りを南に戻り一竿子さんを過ぎた交差点で西に曲がり少し北に戻ると刃物のパラダイス酔心さんに到着!

 

お店に入ると女性の方(社長さんの奥様?)が出てこられたので、出来るだけ古い9寸柳刃が欲しいとお話しすると、ちょっと待ってくださいと奥に戻られました。

 

しばらくして奥から若旦那さんが笑顔で有りますよーと言いながら柳刃包丁を持ってきて、

 

「これはかなり古いですよ」

 

青二鋼の柳刃を見せてくれました。

 

すごく鋼がしまっていそうでいい柳刃だったのですが、私は以前から鋼材では白二鋼が最高という信念を持っていまして・・・

白二鋼はありませんか?と尋ねました。

 

奥の方に探しにいかれて戻ってきた若旦那さんは、あったのですがまさかの本焼でと言われ柳刃を持ってこられました。

白二鋼はよく動くので在庫が少ないようです。

 

本焼きも良かったのですが、最近合わせの刃境が凄く気に入っているので結局最初の青鋼の柳刃をいただいて帰ることにしました。

 

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いい感じでしょう?!

 

この後もう1箇所鍛冶屋さんに寄って柳刃を買ってきたのですが、堺独特の事情があり詳細は口外しないようにとのことでした(^^;;

 

満足して家に帰って最後に買った包丁の刃付けが荒かったので本刃付けをしました。

 

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この柳刃は白二鋼で結構硬めです(^^)

 

充実した1日のおかげで熟睡できて体調も良好です!

 

1年ぶりに大阪日本橋の正直に行ってきました

ほぼ一年前の記事で紹介しました日本橋の正直

今回も心斎橋に行く用事があったので、立ち寄ることにしました。

 

心斎橋での用事を済ませたらちょうどお昼過ぎだったので、浪花そばで昼食を。

鰻丼と天ぷら、すだちそばのセットをいただきました。

お腹がいっぱいになったところでいよいよ正直へ!

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日本橋の交差点近くの黒門市場の反対側にある狭い路地を入っていくと、

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見えてきました!

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独特の包丁のオブジェです!


お店に入ると中の様子は20年以上前とほとんど変わっていません。

粋な東京の下町っていう感じです。

奥から奥さんが出てこられて、フグ引きを見せてほしい旨を告げると中から親父さんが出てこられました。

かなり老けた(当然なんですが・・・)親父さんは、それでも粋な江戸っ子という雰囲気があり、カッコよかったです。

 

座敷の奥にある桐の箪笥から青鋼の9寸フグ引きを5本出して目の前に並べてくれたので、1本づつ念入りにチェックさせてもらいました。

その後白鋼の9寸柳刃も見せてもらい、私の好みに合うものを各1本づつ選び購入することに。

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正直の包丁は値段の割に研ぎやすく長切れします。

以前から料理人の間では人気のあった包丁ですが、親父さんがあまり商売を広げる気がないのか全く広告や販売努力をしていません。

本当にいい包丁が世間ではあまり知られないのはもったいないような気もしますが、親父さんはもう高齢ですしのんびりと対面で商いをしたいのかもしれませんね。

 

まず青鋼のフグ引きに本刃付けをしてみました。

研承の#300→#1000→#3000、で研ぎ抜き、その後菖蒲谷の蓮華巣板でシノギから下の傷取り。

鋼は北山→大谷山戸前浅黄で小刃付け、地金は大平内曇りをあてた後同じ内曇りの小割で化粧研ぎで完成です。

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柳刃の方はまた後日。

白二尺フグ引き大谷山硬め砥石で刃付け

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堺の伝統工芸士IさんとNさんの白二鋼尺フグ引きに私の持っている大谷山砥石の中でも一番硬い砥石で刃付けをしました。

 

少し硬いぐらいの天然砥石ではあまりきれいな鏡面にはならないのですが、この砥石は丁寧に研ぐときれいな鏡面になります・・・と言っても力を入れて強く研ぐと地を引いてしまうのですが・・・。

 

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Iさんの作る和包丁は鋼が硬く、地金は極軟鉄なので巣板で軽く研ぐときれいに曇ります。

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裏も完璧にピッタリ当たり、わずかな歪みもありません。

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刃境もきれいで見とれてしまいます(^^;)

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切っ先も光の当たり具合で様々な表情に変わります。

 

長切れを意識して少し大きめの小刃をつけましたが、十分な切れ味でした。

青鋼切りだしを中山水浅葱で鏡面に

今日砥石の整理をしていたら、しばらく使っていない砥石がたくさん出てきました。

その中からかなり硬い中山の水浅葱を使って、切り出しを研ぐことにしました。

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この砥石はかなり硬く、見る見るうちに鋼は明るい鏡面に仕上がります。

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こんな感じのきれいな鏡面に仕上がりました。

この中山は大谷山の硬い目の砥石のように地を引くこともありません。

すべりがよくて、気持ちいいぐらい明るい鏡面に仕上げてくれます。

 

普段使い出刃包丁の化粧研ぎ

今日は台風10号が四国~中国地方を横断していますが、皆さんのところは影響はないでしょうか?

私が住んでいる阪神地区は夕方まではほとんど雨も降らず、風も大したことはなかったのですが、18時ごろになって結構雨が強くなってきました。

 

今日は仕事が休み(昨日まではお盆無しで働いていました)だったので、朝から普段よく使っている出刃包丁を研ぎました。

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この出刃包丁は関西では知る人ぞ知るという日本橋正直の出刃包丁です。

研ぎやすく長切れする上に、少し大きめの小刃をつけるとかなり荒く使っても欠けたりすることはありませんが、見た目がもう一つですね(^^;)

 

そこで中山の蓮華巣板を地金に当ててみたのですが、どうもうまく曇りません。

この出刃の地金はかなり硬いので、なかなかいい感じにできません。

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奥殿、丸尾山巣板の小割を使って何とかここまで。

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裏もいい感じにピッタリ浅黄に当たりました(^^)/

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切っ先は結構研ぎぬいていたので、30度ぐらいの小刃をつけてかえりをとるとなかなかの切れ味です!

 

 

前回淡路島で釣ってきた約50匹の魚を下ろした小出刃もついでに研ごうと思ったのですが、全然研ぐ必要がないぐらいキレキレの状態だったので、クレンザーで表面を磨くだけにしました。

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裏も完璧です!

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この120mmの小出刃ですが、白紙3号製、堺の伝統工芸士 名工 富樫憲治さんの作品です。

さすが堺でも出刃なら富樫と言われるほどの方の鍛造されたものは、箱出しでも素晴らしい切れ味(これは研ぎ師さんが優秀なのでしょうが)でかなり荒い使い方をしてもかけないどころか全く切れ味が落ちません。

鯛や大カサゴの兜割りや、急いでいたので中骨ごと切断したりもしたのですが・・・

改めて富樫さんの出刃包丁のファンになりました。

堺刀司七寸柳刃包丁 鏡面にしてみました。

30年前の堺刀司七寸柳刃包丁を鏡面にしてみました。

平を800番のキンデラである程度平らにしておいて、耐水ペーパー#400→#600→#1000まで磨いて、その後耐水フィルムの#1500→#2000まで磨くとある程度見られるぐらいにはなってきました。

 

切り刃は研承#300→#1000→シャプトン#1000→#2000→#5000まで研いだ後、酔心#10000で仕上げをしました。

 

最後に平をバフを使って青棒で磨いて終了です。

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うーん、地金はやっぱり巣板で曇らせた方がいいかな・・・悩む(^^;)


 

昨日は淡路島の沼島に釣りに行ってきました

木曜日は淡路島で真アジが連れているという話を聞いて、沼島へ釣りに行ってきました。

 

沼島は淡路島の南にある小さな島で、勾玉のような形をしていていろいろな伝説のある神秘的な島です。

この辺りは紀伊水道の影響で潮の流れがよくいろいろな魚影の濃いところで、特にタイ、真アジ(トツカアジ)、鱧、フグなどが有名です。

 

朝5時に家を出発し船の乗り場に着いたのが7時前でした。
19歳の息子と二人で竿や荷物を船に積み込み、さあポイントに出発です!

 

時間にして10分ぐらいですが沼島の裏側のポイントに着くまでにすごく船が揺れたので、すでに息子がダウンしてしまいました(^^;)

 

ここは自分が頑張らなければとアジサビキの仕掛けを使って釣り始まました。

 

潮の流れがまだ緩かったので60号の重りを使ったのですが、底の感覚がよく使っている30号の重りに比べてわかりにくいな・・・と思っていたら、いきなりあたりが!

そんなに大きくはないけど結構元気な引きで、早速アジが来たかなと思ったら小さめの鯛でした(^O^)/

 

それから何度か場所を変えていろいろな魚種を釣ることができたのと、あたりがなくなってきたので10時ごろには土生港に帰ってきました。

 

結局酔った息子は全くいいところなしで寝てるだけでした(;_;)/~~~

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鯛、カワハギ、鯖、大カサゴ、真アジ、イワシ・・・

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カサゴ、トツカアジは刺身でいただきました(^^)

鯛は小ぶりだったので鯛めしに、カサゴ・カワハギ・鯖は煮つけ、残った真アジは塩焼き、煮つけ、干物にしました。

 

今回釣った魚はすべて磯臭さもなく、アジ・鯖は脂の乗りも最高でとても美味しかったです!

ごちそうさまでした。